ぽんぺ語り

語りたいぽんぺがそこにはある

最古の記憶は。

お久しぶりです。

どうも、こんばんわ。

 

書けば満足するかもという淡い期待を持って始めたこの記事投稿、まさか数記事書いただけで本当に満足するとは。

しかも内容浅いってレベルじゃねぇぞ、という。

松屋の記事ってなんだよ。

ゲームの話をするとしよう。

 

さて、当然ガンダムオンラインとかいうゲームの話はしないのですが、今回はエロゲームの話をしましょう。エロゲーム。ム。

出会いと、面白いと思うことについて。かるーく。

 

 

僕が初めて遊んだエロゲーは『グリーングリーン』(GROOVER、2001年)なのですが、当時は本当に衝撃を覚えましたね。こんなに面白い作品があるのかと。

エロゲームと一般的にいわれるものは、基本的に立ち絵と文章・音楽、たまにイベントCGで展開する、いわゆる「紙芝居」じゃないですか。それが小説よりもはるかに生々しく物語を展開して、アニメや映画よりも想像力や興味心を掻き立ててきたんですよ。

なんじゃこりゃ、と。

面白すぎんだろ、と。

 

話は変わるんですが、僕は鼻が尋常じゃなく効くんですよ。その代わり耳が遠いんですけど、ガハハW

閑話休題。鼻がいい人限定ではないと思いますが、僕は季節の変わり目を鼻で感じるタイプだったりします。

雨の臭いがすれば夏の始まりを感じたり、乾燥した風の感じで秋を感じたり、まぁなんか雰囲気ですけれど、外に出た瞬間に吸い込んだ空気の匂いで季節感を感じて、ちょっとおセンチな気分になったりするわけです。

そんな季節感とか空気感を、僕はエロゲームして感じたんですよ。

あーうんうん、ってここまで読んでくれた奇特な方も、うん?ってなるかもですが、感じたんですよ。

季節感、空気感、臨場感。

単純に文章を読み進め没頭して世界にのめりこんだ、だけではなく、グラフィックの視覚効果やSE、BGM、声優の息遣い、場転演出、それらが本当に実在する空気を感じさせてきた衝撃は忘れられないわけで。

嗅覚だけで季節感を感じてきたぼんくらですから、その衝撃は計り知れないわけです。

 

グリーングリーン』は結構わかりやすい、まさに初心者向けのエロゲームでして、「夏」「全寮制学校」「ど青春」みたいなカテゴリーで、共通ルートが笑える内容、個別ルートは感動あり、みたいな。

神様家族』とかが代表作の桑島由一や、『ゼロの使い魔』で有名な故・ヤマグチノボルがライターで、原画は片倉真二。今は猫漫画家みたいになってるけど『忘却の旋律』面白かったネ…というスタッフ陣。

やればわかりますが、夏に友人とバカ騒ぎする若いノリ全開で、こんな学生生活絶対楽しいやん!と、暗黒の学生時代を経た人間なら誰しも思うわけです。

疑似的にとはいえ、ゲームの中で輝かしい瞬間を味わえることを『グリーングリーン』は僕に知らしめてしまったわけですよ。生々しい空気を携えて。

 

当時のエロゲームは全盛期だけあって、本当に作品ひとつひとつに世界が確立していて、その空気感をこれでもかと突き付けてくるものばかりでした。

 

…夏で今でもお勧めできるのは『グリーングリーン』のほか、『この青空に約束を』(戯画、2006年)とか、『CROSS†CHANNEL』(FlyingShine、2003年)とかでしょうか。

CROSS†CHANNEL』は僕が今までやってきたエロゲームの中で一番心に残っている作品で、今でもこれを超える作品はないだろうなと思ってます。

田中ロミオ作品(別名義、山田一作品含め)って、言葉が綺麗なんですよね。純粋に。

西尾維新みたいに日本語の言葉遊び面白いっしょレロレロレロレロレロみたいな感じじゃなくて、音として、響きとして、語彙の流れが非常に綺麗なんですよね。

抽象画家みたいな言い方ですが、実際そうや。

 

 最古の記憶は。
日付さえおぼろげな、遠い霞のなか。
貴族的な気品を抱く、豪華な私室。
そこには天蓋つきの寝台も欧羅巴製の椅子もあった。
けど床に座るのが一番好きだった。
こんな日は特に。
窓から見える黒の帳は星月夜。
枠に切り取られた散在する瞬きに目を奪われる。
外界と室内を隔てる窓ガラスに、己の姿が映る。
深窓の令嬢―――
洋風のドレスに身を包む、楚々とした少女。


きみは、いったいだれですか?

 

この文章。やれば何度となく見ることになるんですが、とても綺麗ですよね。

CROSS†CHANNEL』をやったことある人間なら、この文章見た瞬間げんなりするんですが、初見だったり、この文章だけを切り抜くととんでもなく美しい文章だと感じるわけです。

田中ロミオの文章はラノベ人類は衰退しました』などでも手軽に味わえるので、おすすめです。文章の綺麗さだけじゃなくて、ギャグの間の取り方とか、本当にセンスあります。

 

空気感に重ねて、流暢な文章、心を揺さぶる音声、それがエロゲーム。

全盛期をリアルタイムで味わっただけに、今の自分を形成する糧になってるのは間違いないです。それだけ読み漁ったし、何度も心を揺さぶられました。

面白いですよね。本当に。

いや、本当に。

面白かったですよね。

 

次回はエロゲームの衰退と僕の絶望について書こうと思います。

よろしくお願いいたします。